副社長の一目惚れフィアンセ
不意に溢れ出た記憶に、涙がこみ上げる。



何の役にも立たない力。

誰も喜ばない力。

誰も気づかないまま消えていく、

お姉ちゃん自身にしかわからない力。


それはきっと…



隣のナオが私の手をギュッと握りしめて、目元をおさえている。


その頬には一筋の涙。





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