副社長の一目惚れフィアンセ
「明里、婚約者に副社長呼ばわりはないだろう?」
宝石店でのことを言っているんだというのはすぐにわかったけど、婚約者だからって突然名前呼ばわりはおこがましいと思ったのだ。
「じゃあ、直斗さん…?」
恐る恐る問いかけると、彼は何かに迷う様子で視線を彷徨わせた。
「…ナオって呼んで」
少し間を置いて、彼は言った。
『ナオ』
どうしてだろう。また一瞬既視感が頭の中を走った気がした。
だけど、深く考える前に彼は続ける。
「もちろん人前では直斗さんでいい。でも2人の時はそう呼んでほしい」
「…ナオ」
照れくさくて呟くように小さく言うと、彼はなぜか切なげに微笑んだ。
一瞬その細められた目が光って揺れた気がしたけど、確認する前に彼は目を伏せた。
宝石店でのことを言っているんだというのはすぐにわかったけど、婚約者だからって突然名前呼ばわりはおこがましいと思ったのだ。
「じゃあ、直斗さん…?」
恐る恐る問いかけると、彼は何かに迷う様子で視線を彷徨わせた。
「…ナオって呼んで」
少し間を置いて、彼は言った。
『ナオ』
どうしてだろう。また一瞬既視感が頭の中を走った気がした。
だけど、深く考える前に彼は続ける。
「もちろん人前では直斗さんでいい。でも2人の時はそう呼んでほしい」
「…ナオ」
照れくさくて呟くように小さく言うと、彼はなぜか切なげに微笑んだ。
一瞬その細められた目が光って揺れた気がしたけど、確認する前に彼は目を伏せた。