副社長の一目惚れフィアンセ
なんとも仲良しな双子だけど、仲良しというと２人ともとても怒る。

「こんなやつと仲いいわけないでしょ！？」

「こっちのセリフだ！バーカ！」

「バカはどっちよ。第一志望の大学にあっさり落ちたくせに」

「お前、人の心の傷えぐるんじゃねーよ！つーか何年もそのネタ引っ張るな！」

…という具合で言い合いが延々と続く。

昔から変わらないふたりの言い合いには私も口を挟むことができず、ただ傍観するしかない。

紗耶たちのお母さんも、ふたりの口喧嘩には相当手を焼いていたのを子どもながらに覚えている。

『瀬名にはもう言ったの？』

「ううん。これから。今度久しぶりに３人でカフェでも行こうよ」

『うん。瀬名びっくりするだろうねー』

「あははっそうだね」

『とりあえずおめでとう。おばさんもこれに関しては喜んでくれるんじゃない？』

「…うん。だといいんだけどね」

曖昧に笑いながら、これからお母さんに電話をしなければならないことを考えたら胃が痛くなった。



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