副社長の一目惚れフィアンセ
4.15年という月日
ナオと一緒に暮らし始めて2週間が経った。

重役というものは重要な書類に目を通したり、判を押したり、そういうことばかりが仕事なのだと思っていたけど、実際には出張も接待も多い。

今日は早朝からゴルフ接待だ。

偉い人イコールゴルフというイメージは漠然とあったから、そのイメージは当たっていたということになる。

だけど休日に出かけてしまうのは、正直なところかなり寂しい。

朝早くに出て、帰りはお酒を飲んで帰って来るから夜遅くなるのだ。

私の心細さが顔に出てしまっているのか、見送りに玄関まで出た私の頭をナオはポンポンとなでた。

外では迎えの車がすでに待っているという。

「行ってくる」

「うん。いってらっしゃい」

啄むような軽いキスをして、ナオは部屋を出て行った。



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