副社長の一目惚れフィアンセ
私たちは何の問題も抱えていない幸せな家族のはずだった。
年は9歳も離れていたけど、私とお姉ちゃんはとても仲がよかったし、お父さんとお母さんと毎日4人で笑って食卓を囲んでいた。
—————だけど、幸せはある日突然壊れた。
15年前の冬…
お姉ちゃんが高校3年生で、私が小学3年生の時。
学校帰りのお姉ちゃんに飲酒運転の車が突っ込んで、そのままひき逃げした。
お姉ちゃんは雪の舞う道の端で、通行人に見つけられるまで何時間も倒れたままだったそうだ。
黒い喪服姿に混じって集まったたくさんの制服姿の人たちは、鼻をすすったり、嗚咽を漏らしたりしていて、お母さんは『詩織は人望が厚くて友達が多かったからねえ』と何度も誇らしげに言っていた。
すでにその時、どこか壊れ始めていたんだろう。
何かにつけて『詩織はね』と嬉しそうに話すお母さんは、小3の私にも異様に見えた。
お父さんはお母さんを病院に連れていこうとしたけど、お母さんはそれを断固拒否した。
『わたしのどこがおかしいっていうの!?』とわめきちらして。
年は9歳も離れていたけど、私とお姉ちゃんはとても仲がよかったし、お父さんとお母さんと毎日4人で笑って食卓を囲んでいた。
—————だけど、幸せはある日突然壊れた。
15年前の冬…
お姉ちゃんが高校3年生で、私が小学3年生の時。
学校帰りのお姉ちゃんに飲酒運転の車が突っ込んで、そのままひき逃げした。
お姉ちゃんは雪の舞う道の端で、通行人に見つけられるまで何時間も倒れたままだったそうだ。
黒い喪服姿に混じって集まったたくさんの制服姿の人たちは、鼻をすすったり、嗚咽を漏らしたりしていて、お母さんは『詩織は人望が厚くて友達が多かったからねえ』と何度も誇らしげに言っていた。
すでにその時、どこか壊れ始めていたんだろう。
何かにつけて『詩織はね』と嬉しそうに話すお母さんは、小3の私にも異様に見えた。
お父さんはお母さんを病院に連れていこうとしたけど、お母さんはそれを断固拒否した。
『わたしのどこがおかしいっていうの!?』とわめきちらして。