副社長の一目惚れフィアンセ
ナオに再びエスコートされながらステージから狭い階段を降りた。
エスコートされるということ自体に慣れていない私は、助けてもらっているはずなのに動きが固くてロボットのようになっていると思う。
そのまま来賓への挨拶に向かった。
とにかく高級そうなネクタイや腕時計を身につけているおじさま方。
そしてどう考えても数十万単位は超えるであろうネックレスやイヤリングをしているおばさま方。
彼らはナオと話しながら、時折私に目線を向けて話しかけてくるから、思わず声がうわずる。
「明里さんのお父様は何をなさっている方なの?」
「え、えっと…両親は離婚していまして…」
「あら」
顔をしかめたおばさまの眉の化粧がよれる。
「どこかの社長さんだったのかしら」
「え…」
予想もしていなかった質問だったけど、考えてみれば当然のことなのだ。
相手は大会社の副社長。婚約者だってそれなりの血統書付きなのは当たり前のこと。
エスコートされるということ自体に慣れていない私は、助けてもらっているはずなのに動きが固くてロボットのようになっていると思う。
そのまま来賓への挨拶に向かった。
とにかく高級そうなネクタイや腕時計を身につけているおじさま方。
そしてどう考えても数十万単位は超えるであろうネックレスやイヤリングをしているおばさま方。
彼らはナオと話しながら、時折私に目線を向けて話しかけてくるから、思わず声がうわずる。
「明里さんのお父様は何をなさっている方なの?」
「え、えっと…両親は離婚していまして…」
「あら」
顔をしかめたおばさまの眉の化粧がよれる。
「どこかの社長さんだったのかしら」
「え…」
予想もしていなかった質問だったけど、考えてみれば当然のことなのだ。
相手は大会社の副社長。婚約者だってそれなりの血統書付きなのは当たり前のこと。