チェルシー!
最悪な出会い
ーこの世界は美しいのにあまりにも理不尽な世界だ。ー
ノートに記された言葉を少女は芯の出ていないシャーペンでそっとなぞる。
「何を書いてるんだか・・・。」
そう呟き、少女はノートを閉じた。そして目を閉じた。
「ナツナ!また考え事してるの?」
ナツナと呼ばれた少女は目を開け、呼び掛け声のする方へ目をやった。
ナツナの友人アカリだ。
「別に、考え事したって良いじゃん。お金発生する訳じゃないからさ。」
ナツナはそっけなく返事を返した。
「時間の無駄無駄!
あっ、ナツナ、そんなに考え事するなら哲学者にでもなったら良いじゃん。」
「ばーか」
ナツナはノートでアカリの頭を軽くはたいた。
「そうそう、ナツナ。今度ライブあるんだけど行かない?」
「ライブ?」
「ロック系だって。格好いいって評判だよ。」
アカリは肩からぶら下げているポシェットの中を探り、チケットを取り出した。
「タダじゃないんでしょ、どーせ。」
ナツナは視線を下に落として嫌なものを吐き出すようにつぶやいた。
「うん、彼に頼まれてね。1500円だけど、私とナツナの仲だと思って買って欲しいの!」
アカリは両手を合わせ、ナツナの反応におどおどしながら様子を覗っている。
ナツナはそんなアカリの態度が気の毒にさえ思ったが、ふとバンドやってる彼氏と付き合ってるんだから自業自得じゃないの?とも毒ついた気持ちにもなってしまった。
「仕方ない、1500円なら行くよ。」
ナツナは黄緑色のリュックに手を伸ばし、財布を取り出すと1500円ちょうどアカリに渡し、チケットを受け取った。
「ふーん、今回は3つのバンドでるんだね。」
「そのうちのリギー・ポップってバンドが勢いあるんだって。」
「イギー・ポップじゃなくて?」
ナツナは横目でアカリを見た。
「まぁまぁ影響受けてるんでしょ。聞いた感じは影響受けていない感じだったけど。」
「どっちなんだか・・・。」
ナツナはふぅ、とため息をついた。
「格好良くなかったら次は買わないから。しかしバンドやってる人もノルマあって大変だね。」
「楽しみだな、特にリュウトくん応援してね!」
ナツナは毒づいたつもりだったが、アカリにはそんな毒づいた言葉は届いていないようだった。
ノートに記された言葉を少女は芯の出ていないシャーペンでそっとなぞる。
「何を書いてるんだか・・・。」
そう呟き、少女はノートを閉じた。そして目を閉じた。
「ナツナ!また考え事してるの?」
ナツナと呼ばれた少女は目を開け、呼び掛け声のする方へ目をやった。
ナツナの友人アカリだ。
「別に、考え事したって良いじゃん。お金発生する訳じゃないからさ。」
ナツナはそっけなく返事を返した。
「時間の無駄無駄!
あっ、ナツナ、そんなに考え事するなら哲学者にでもなったら良いじゃん。」
「ばーか」
ナツナはノートでアカリの頭を軽くはたいた。
「そうそう、ナツナ。今度ライブあるんだけど行かない?」
「ライブ?」
「ロック系だって。格好いいって評判だよ。」
アカリは肩からぶら下げているポシェットの中を探り、チケットを取り出した。
「タダじゃないんでしょ、どーせ。」
ナツナは視線を下に落として嫌なものを吐き出すようにつぶやいた。
「うん、彼に頼まれてね。1500円だけど、私とナツナの仲だと思って買って欲しいの!」
アカリは両手を合わせ、ナツナの反応におどおどしながら様子を覗っている。
ナツナはそんなアカリの態度が気の毒にさえ思ったが、ふとバンドやってる彼氏と付き合ってるんだから自業自得じゃないの?とも毒ついた気持ちにもなってしまった。
「仕方ない、1500円なら行くよ。」
ナツナは黄緑色のリュックに手を伸ばし、財布を取り出すと1500円ちょうどアカリに渡し、チケットを受け取った。
「ふーん、今回は3つのバンドでるんだね。」
「そのうちのリギー・ポップってバンドが勢いあるんだって。」
「イギー・ポップじゃなくて?」
ナツナは横目でアカリを見た。
「まぁまぁ影響受けてるんでしょ。聞いた感じは影響受けていない感じだったけど。」
「どっちなんだか・・・。」
ナツナはふぅ、とため息をついた。
「格好良くなかったら次は買わないから。しかしバンドやってる人もノルマあって大変だね。」
「楽しみだな、特にリュウトくん応援してね!」
ナツナは毒づいたつもりだったが、アカリにはそんな毒づいた言葉は届いていないようだった。
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