冷酷な騎士団長が手放してくれません
ねぎらいの言葉をかけると、彼女は少し困ったように笑う。
その儚い笑みが、ニールの胸の奥をまた刺激する。
彼女を、早く自分のものにしてしまいたい。婚礼までの二ヶ月、耐えられる自信がない。
「殿下こそ、お疲れなのではないですか? お城に、戻られたばかりですし」
「君に会えたら、疲れなど飛んでしまったよ」
試すようにいじわるな笑みを浮かべて見せれば、ソフィアは案の定ほんのりと頬を染めた。
自分の言動で、恥じらう彼女を見るのは楽しい。いっそのこと、一日中彼女を翻弄出来たらどれだけ幸せだろうか。
ニールは手を伸ばし、オレンジサファイヤのペンダントに、そっと触れた。自分の贈ったものが、こうして彼女の胸もとで輝いているのを見るのは嬉しい。
「やはりこの色にして良かったな。君の美しさを、より一層輝かせている。ドレスにも、よく似合っているよ」
「リンデル様が、見立ててくれましたの」
「ああ、彼女か。少し気が強いところはあるが、ああ見えて根は悪くない。君の、良い友人になるだろう」
ニールの返答に、ソフィアは「はい」と小さく答えた。
「ソフィア!」
そこで、マルガリータ公爵夫人がソフィアを手招きした。どうやら、目の前にいる昔馴染みの伯爵夫人に彼女を紹介したいようだ。
「殿下、少しだけ失礼いたします」
「ああ」
しなやかに腰を落としてニールに礼を済ますと、ソフィアはマルガリータ公爵夫人の方へと歩み始めた。
その儚い笑みが、ニールの胸の奥をまた刺激する。
彼女を、早く自分のものにしてしまいたい。婚礼までの二ヶ月、耐えられる自信がない。
「殿下こそ、お疲れなのではないですか? お城に、戻られたばかりですし」
「君に会えたら、疲れなど飛んでしまったよ」
試すようにいじわるな笑みを浮かべて見せれば、ソフィアは案の定ほんのりと頬を染めた。
自分の言動で、恥じらう彼女を見るのは楽しい。いっそのこと、一日中彼女を翻弄出来たらどれだけ幸せだろうか。
ニールは手を伸ばし、オレンジサファイヤのペンダントに、そっと触れた。自分の贈ったものが、こうして彼女の胸もとで輝いているのを見るのは嬉しい。
「やはりこの色にして良かったな。君の美しさを、より一層輝かせている。ドレスにも、よく似合っているよ」
「リンデル様が、見立ててくれましたの」
「ああ、彼女か。少し気が強いところはあるが、ああ見えて根は悪くない。君の、良い友人になるだろう」
ニールの返答に、ソフィアは「はい」と小さく答えた。
「ソフィア!」
そこで、マルガリータ公爵夫人がソフィアを手招きした。どうやら、目の前にいる昔馴染みの伯爵夫人に彼女を紹介したいようだ。
「殿下、少しだけ失礼いたします」
「ああ」
しなやかに腰を落としてニールに礼を済ますと、ソフィアはマルガリータ公爵夫人の方へと歩み始めた。