冷酷な騎士団長が手放してくれません
目を開けると、どこか苦しげなリアムの眼差しが目に飛び込んできた。
先ほどよりも、距離が近い。
リアムの喉元から漏れる呼吸音を、僅かに感じた。
(分かったわ。どうして、こんなにも婚約に躊躇っているのか)
ニールが怖いだけではない。
ソフィアは、この忠実な下僕と離れたくないのだ。
ソフィアに甘いアンザム卿であろうとも、騎士団長であるリアムを連れてカダール公国に嫁ぐことは、さすがに反対するだろう。
戦争が近づいている今、リアムの力は必要とされているだろうから。
(でも、私達は一心同体よ)
ソフィアは、リアムの方へと手を伸ばす。
頭を垂れると、リアムはいつものように、手の甲の傷跡に唇を寄せた。
いつもより、長めのキス。
手の甲を介して伝わる柔らかな感触に、ソフィアの胸の奥から行き場のない切なさが込み上げた。
先ほどよりも、距離が近い。
リアムの喉元から漏れる呼吸音を、僅かに感じた。
(分かったわ。どうして、こんなにも婚約に躊躇っているのか)
ニールが怖いだけではない。
ソフィアは、この忠実な下僕と離れたくないのだ。
ソフィアに甘いアンザム卿であろうとも、騎士団長であるリアムを連れてカダール公国に嫁ぐことは、さすがに反対するだろう。
戦争が近づいている今、リアムの力は必要とされているだろうから。
(でも、私達は一心同体よ)
ソフィアは、リアムの方へと手を伸ばす。
頭を垂れると、リアムはいつものように、手の甲の傷跡に唇を寄せた。
いつもより、長めのキス。
手の甲を介して伝わる柔らかな感触に、ソフィアの胸の奥から行き場のない切なさが込み上げた。