冷酷な騎士団長が手放してくれません
とても、心地が良かった。


唇が離れた瞬間、ため息が漏れるほどに。


短いキスのあとで、リアムはまた「怖かったですか?」と聞いて来た。


ソフィアは、緩やかに頭を振る。





「怖くなんてないわ。リアムとなら」





その瞬間、目の前の騎士の青い瞳に、火が灯るのをソフィアは見た。


伸ばされた手が、今度はソフィアの後頭部に触れる。


もう一度重ねられた唇は、微かに震えていた。


そっと触れたあと、角度を変えて今度は啄むように唇をさらう。


「ん……」


先ほどとは違う感触に思わず声を漏らせば、吐息が頬に触れたあとで、再び唇が降って来た。


割り入れられた舌が、ソフィアの体に熱を送り込む。


「ん……、リアム……」


感じたことのない熱情が、下腹部に湧いて来た。


無意識に伸ばされたソフィアの手が、リアムの背中を掴む。


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