冷酷な騎士団長が手放してくれません
リンデル嬢の父親は、カダール公国で一番の規模を誇る領地の伯爵で、この国の執務官も担っている。そのため、リンデル嬢は幼い頃からニールやマルガリータ公爵夫人とも親交が深いようだった。
挨拶を交わす誰もが婚約祝いの言葉を口にする中で、このリンデル嬢だけは断固としてソフィアを無視し続けた。
ニールの婚約者の座を狙っていたらしい彼女は、ソフィアのことを相当恨んでいるらしい。
サロンで同席するたびにイライラとした表情をし、時にはわざと肩をぶつけてくることもあった。
またある時はソフィアの方に視線を向けながら他の令嬢と耳打ちし合い、クスクスと小馬鹿にしたような笑い声を漏らすこともあった。
ソフィアはいい気分ではなかったが、ここで露骨に怒りを露わにすれば、サロンの主催者であるマルガリータ夫人に迷惑をかけてしまう。
だから、じっと耐えるのだった。
騎士部屋に寝泊まりをし、日がな騎士団の訓練に付き合わされているリアムには、あまり会うことがなかった。
彼がソフィアの護衛を務めるのは、外出の時だけだった。
それでもソフィアは、同じ城の中にリアムがいると感じるだけで、馴れない日々をどうにか乗り越えていくことが出来た。
挨拶を交わす誰もが婚約祝いの言葉を口にする中で、このリンデル嬢だけは断固としてソフィアを無視し続けた。
ニールの婚約者の座を狙っていたらしい彼女は、ソフィアのことを相当恨んでいるらしい。
サロンで同席するたびにイライラとした表情をし、時にはわざと肩をぶつけてくることもあった。
またある時はソフィアの方に視線を向けながら他の令嬢と耳打ちし合い、クスクスと小馬鹿にしたような笑い声を漏らすこともあった。
ソフィアはいい気分ではなかったが、ここで露骨に怒りを露わにすれば、サロンの主催者であるマルガリータ夫人に迷惑をかけてしまう。
だから、じっと耐えるのだった。
騎士部屋に寝泊まりをし、日がな騎士団の訓練に付き合わされているリアムには、あまり会うことがなかった。
彼がソフィアの護衛を務めるのは、外出の時だけだった。
それでもソフィアは、同じ城の中にリアムがいると感じるだけで、馴れない日々をどうにか乗り越えていくことが出来た。