冷酷な騎士団長が手放してくれません
「あなたに、会いたかった」
仰向けになったまま、ソフィアはリアムに向けて柔らかく微笑んだ。
リアムは青い瞳を一度瞬くと、少しだけ嬉しそうな顔をした。
「何か、お辛いことでもあったのですか?」
ソフィアは、小さく頷く。
「差出人不明の手紙が来たの。故郷に帰るように、という内容だった。とてもひどい言葉遣いで……、とても恐ろしかったわ」
眉根を寄せ、真剣な顔つきになるリアム。
「その手紙は、どうなさったのですか?」
「怖くて、捨ててしまったわ。とてもじゃないけど、持っていることなんて出来なかった」
「犯人に、心当たりは?」
「ないこともないけれど……。証拠は、どこにもないの」
「殿下に、このことはお伝えになったのですか?」
「言っていないわ。こんな些細なことで、国を司る殿下の心を煩わせたくないもの」
一瞬だけ、リアムが思い詰めたような顔をする。
「ねえ、リアム。私、どうしたらいい?」
真摯に問いかけるソフィアを、リアムは真顔で見つめた。
吹き荒れた夜風が、露に濡れた草と土の香りを二人のもとへ運ぶ。
「何も、心配なさらなくて大丈夫です」
伸ばされたリアムの手が、風で乱れたソフィアの後れ毛に触れた。
そして蜂蜜色の髪を指先に絡めると、優しく耳もとに唇を寄せる。
「あなたのことは、俺が命に代えてもお守りします」
それは、心の奥底に重く沈み込むような、深い囁きだった。
仰向けになったまま、ソフィアはリアムに向けて柔らかく微笑んだ。
リアムは青い瞳を一度瞬くと、少しだけ嬉しそうな顔をした。
「何か、お辛いことでもあったのですか?」
ソフィアは、小さく頷く。
「差出人不明の手紙が来たの。故郷に帰るように、という内容だった。とてもひどい言葉遣いで……、とても恐ろしかったわ」
眉根を寄せ、真剣な顔つきになるリアム。
「その手紙は、どうなさったのですか?」
「怖くて、捨ててしまったわ。とてもじゃないけど、持っていることなんて出来なかった」
「犯人に、心当たりは?」
「ないこともないけれど……。証拠は、どこにもないの」
「殿下に、このことはお伝えになったのですか?」
「言っていないわ。こんな些細なことで、国を司る殿下の心を煩わせたくないもの」
一瞬だけ、リアムが思い詰めたような顔をする。
「ねえ、リアム。私、どうしたらいい?」
真摯に問いかけるソフィアを、リアムは真顔で見つめた。
吹き荒れた夜風が、露に濡れた草と土の香りを二人のもとへ運ぶ。
「何も、心配なさらなくて大丈夫です」
伸ばされたリアムの手が、風で乱れたソフィアの後れ毛に触れた。
そして蜂蜜色の髪を指先に絡めると、優しく耳もとに唇を寄せる。
「あなたのことは、俺が命に代えてもお守りします」
それは、心の奥底に重く沈み込むような、深い囁きだった。