冷酷な騎士団長が手放してくれません
ソフィアは、常々思っている。口数の少ないリアムの言葉には、言霊が宿っているのではないかと。
神秘的な波長を奏でるリアムの口調には、いつも理屈では説明できない、特別な力を感じた。だから、心から信じることが出来るのだ。
「ありがとう、リアム」
目を細めたリアムは、その声に答えるようにソフィアの髪を優しく撫でた。
だが、途中でピタリと動きを止める。
リアムが凝視しているのは、ソフィアの胸もとで光るオレンジサファイヤのネックレスだった。
リアムの視線に気づいたソフィアが、ネックレスに触れる。
「殿下に、いただいたのよ。いつも、肌身離さず付けているようにって」
ニールの想いをいまだ受け入れ切れないでいるソフィアは、困ったように答えた。
すると突然、何かに押されるように、リアムが体を寄せて来た。
あっと思った時には、ソフィアは既にリアムの腕の中に閉じ込められていた。
リアムの体温に包まれながら、ソフィアは困惑の声を上げる。
「リアム、どうしたの……?」
「風邪を引かれたらいけませんので」
頭上から、低い声が降ってくる。どうやら、薄いネグリジェ一枚のソフィアを気遣っての行動のようだ。
リアムの胸の中は、温かかった。トクトクと鼓動を刻む胸の音が、ソフィアをたまらなく安心させる。心地よさを覚えたソフィアは、気づけば瞼を閉じ本能の赴くままに身を委ねていた。
「あなたは、相変わらず優しいのね」
細くもほどよく筋肉のついた胸板に頬を寄せれば、リアムがよりいっそう腕に力を込める。
厚い胸の感触。いつの間に、こんなにたくましくなったのだろうと思う。出会った頃は、色白で華奢な少年だったはずなのに。
日頃から勘づいていたことではあるが、身を寄せ合えば、しみじみと実感してしまう。
神秘的な波長を奏でるリアムの口調には、いつも理屈では説明できない、特別な力を感じた。だから、心から信じることが出来るのだ。
「ありがとう、リアム」
目を細めたリアムは、その声に答えるようにソフィアの髪を優しく撫でた。
だが、途中でピタリと動きを止める。
リアムが凝視しているのは、ソフィアの胸もとで光るオレンジサファイヤのネックレスだった。
リアムの視線に気づいたソフィアが、ネックレスに触れる。
「殿下に、いただいたのよ。いつも、肌身離さず付けているようにって」
ニールの想いをいまだ受け入れ切れないでいるソフィアは、困ったように答えた。
すると突然、何かに押されるように、リアムが体を寄せて来た。
あっと思った時には、ソフィアは既にリアムの腕の中に閉じ込められていた。
リアムの体温に包まれながら、ソフィアは困惑の声を上げる。
「リアム、どうしたの……?」
「風邪を引かれたらいけませんので」
頭上から、低い声が降ってくる。どうやら、薄いネグリジェ一枚のソフィアを気遣っての行動のようだ。
リアムの胸の中は、温かかった。トクトクと鼓動を刻む胸の音が、ソフィアをたまらなく安心させる。心地よさを覚えたソフィアは、気づけば瞼を閉じ本能の赴くままに身を委ねていた。
「あなたは、相変わらず優しいのね」
細くもほどよく筋肉のついた胸板に頬を寄せれば、リアムがよりいっそう腕に力を込める。
厚い胸の感触。いつの間に、こんなにたくましくなったのだろうと思う。出会った頃は、色白で華奢な少年だったはずなのに。
日頃から勘づいていたことではあるが、身を寄せ合えば、しみじみと実感してしまう。