happiness
「さーてと」
と下駄箱の傍に、置いてあった自分のリュックを背負う。
そして、自分の下靴を手に取って、床に置く。
そのとき。

ユラッ

何かが、私の下駄箱から落ちてきた。
風に揺られながら、それは床に落ちた。
気になった私は、靴を履き替えてから、落ちてきた何かを見る。
何だろう。

紙?

手に取りながら、上靴を下駄箱に戻す。
紙くずだ。
だけど、どうして私の下駄箱に。
そう思いながら、下駄箱を見る。
でも、ゴミ、だよね。
と視線を、紙くずに戻す。
でも、私はなぜか気になって、仕方がなかった。
なにか、書いてあるのかな。
カサカサと、紙を裏返す。
と、そこには。

『好きです。付き合ってください』

そう書いてあった。
え!?
これ、紙くずだけど、ラブレターなの!?
驚いて、紙を落としてしまった。
「あっ」
私は、さっと紙を手に取る。
にしても、私に、だよね。
このラブレター。だって、私の下駄箱に入っていたんだから。
じっと、紙を見つめる。
名前は、書いてないかぁ。
と思ったとき、イニシャルを見つけた。

『K.S』

と紙を端に、そう書いてあった。
加藤?如月?国原?
私は、Kに当てはまる名字を、必死に考えた。
だけど、どれも、ピンとこなかった。
誰からだろう。
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