happiness
翌日の三時間目前。
私は一人、皆より早目に理科室に来て、窓の外をボーッと眺めていた。

私の席、窓際で良かったー。
そう、私は何も考えず、外をただ眺めるのが好きなのだ。

ふいに振り返って、誰もいない理科室を見る。
「誰も……いない」
寂しくはないけど、なんとなく安心する。
だって、楽だもん。人の視線を、感じないし。
それに、誰もいなければ、自分らしく居られる。
ふっと、緊張感が緩む。
いいな。独りって。
ずっと独りでも良い。

そう思いながら、空を見ていると、カチャと理科室の扉が開いた。
私は驚いて、振り返る。
そこには、晃くんがいた。
彼の手には、理科の教科書とかの教材があった。
それを自分の席に置いて、私の元へやって来た。
ドキドキしながらも私は、頬杖をやめて、腕組をした。
そして、プイッと顔を背ける。
「何か?っていうか、陽美に妬かれるよ?」
私が言っていることも、可笑しくはない。
陽美は、妬くタイプだからなー。
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