恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
来るか、来ないか
・・・体が・・目が、重たい。

先のことはなるべく考えないようにしようと思いながらも、昨夜は結局あれこれ頭の中で考えてばかりだった。
そうやっても答えなど、出るはずもなく・・同じことを繰り返し繰り返し、グルグル回るように考えながら、ようやくウトウトしたと思った矢先に、息子の翔に揺り起こされて、目を覚ました。
それでも、ニコニコしている翔に、「ぐっすりねた?」と聞かれた私は、どうにかニッコリ微笑みながら「うん」と答えることはできた。

たぶん、私の微笑んだ顔は、疲れて見えただろうけど、息子は気づいていないようだ。
翔にせがまれて、一緒にトイレに行った私たちは、静かに階段を降りた。

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