恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
でも・・。翔の年くらいの頃の私も、何か「妙なこだわり」を持っていたのかもしれないし、それを止めさせるために、母(と父)はあれこれ手を焼いたのかもしれないと思ったら、家族としての遺伝的な、そして人としての繋がりのようなものを感じて。

私は翔にニコッと微笑みながら、愛しい息子の小さな頭を撫でた、そのとき。
スマホが鳴った。

あ。お母さんだ。ということは・・・。

私は胸をドキドキさせ、緊張で震える手で、緑のボタンを押した。

「お母さん?・・・・・えっ?今から?え、っと、だけど翔は・・えっ!?翔も一緒に連れて行っていいの!?・・・・・分かった。ちょうど今、家を出ようとしてたところだから、30、ううん4・50分くらいでそっちに着くと思う・・・・・・うん。じゃあ後でね。はーい」

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