恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「俺が結婚してるか、遠回しに聞いてるのなら・・・」
「え!ちがっ・・違いますよ!」
「答えはノーだ。この10年の間に、結婚は一度もしたことないよ。因みに、子どももいない」
「へ・・・?」
岸川さん、今「この10年の間」って言った。ってことは・・・。
「俺が子どもの扱いに慣れてるように見えるのは、たぶん、友だちの子や、紀恵んとこのガキどもと接してるからだろうな」
「・・ノリエさん・・・?」
「ああ。俺の妹。って言ったの、湖都(こと)ちゃんはまだ覚えてるか?」
紀恵さん。そして・・・そして私のこと、「湖都ちゃん」って呼んで・・・くれた。
やっぱり岸川さんはあのときのこと、覚えてて・・くれたんだ。
両目に涙をにじませながら、コクンと頷いた。
「え!ちがっ・・違いますよ!」
「答えはノーだ。この10年の間に、結婚は一度もしたことないよ。因みに、子どももいない」
「へ・・・?」
岸川さん、今「この10年の間」って言った。ってことは・・・。
「俺が子どもの扱いに慣れてるように見えるのは、たぶん、友だちの子や、紀恵んとこのガキどもと接してるからだろうな」
「・・ノリエさん・・・?」
「ああ。俺の妹。って言ったの、湖都(こと)ちゃんはまだ覚えてるか?」
紀恵さん。そして・・・そして私のこと、「湖都ちゃん」って呼んで・・・くれた。
やっぱり岸川さんはあのときのこと、覚えてて・・くれたんだ。
両目に涙をにじませながら、コクンと頷いた。