恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
言わない、聞かない!
外に出た途端、私は思わず「うわっ!」と声を上げそうになった。
少し肌寒かった昨日とは打って変わって、今日は、上着なしでも外出できるくらいの暖かさだ。
たった一日の間に、なんだろ。この気温差は!

私は、自由な右手を額にかざし当てながら空を仰ぎ見た。
そこには雲一つない、淡い水色一色の空が広がっている。
心までスカッと晴れ渡るような気持ち良いキレイさなのに、私の口からはため息がこぼれ出ていた。

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