恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
思い出したように、私は岸川さんの横顔をチラッと盗み見た。
だけど、単に涼やかでキリッとした顔立ちであることに変わりはなくて、この人がズボラだという「証拠」は・・・やっぱりつかめない。

「もっとも、今は育児を優先させてるから、フルタイムでは働いてない」
「あ・・そうですか」
「ママぁ。おなかすいたぁ」
「あ、うんっ。もうすぐ食べれるからね」
「翔くん、ハンバーグ好きか」
「うん!すき!ママのね、はんばぁぐ、とってもおいしぃんだよ!」
「そっかー。俺もハンバーグ好きなんだよなぁ」と呟きながら、岸川さんはなぜか私をチラッと横目で見た。

< 224 / 483 >

この作品をシェア

pagetop