恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「1時間近く経ちましたら、こちらの番号にご連絡いたします。緊急時の呼び出しを行う可能性もありますので、スマホ・携帯は常にオンにしておいてください」
「はい分かりました」
「じゃ、よろしくおねがいします。翔、いっぱい遊んでおいで」
「うんっ!じゃーねぇママぁ、ミズキのおじちゃーん」
「俺たち隣のレストランにいるからなー」
「うーん!」

室内へ喜びいさんで駆けて行く息子の後姿に手を振って、見送りを終えた私たちは、タイミング良く同時に歩き出した。

「またさっきのカフェに行くんですか?」
「家具見る?」と聞く岸川さんに、私は顔を左右にふって答えた。

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