恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「わたしそれ食べたい!」
「さっき腹いっぱいって言ってなかったか」

わざと横目で見る岸川さんを見上げながら、私は「別腹って言葉、知らないんですか」と聞き返した。

「やられたぁ。さすが、大人の女子だな。じゃー行きますか。お姫様」
「それはやめてっ!」
「へいへい」

・・・こんな風なやりとりとか、こんな風なふるまいして。
私たちってなんか・・・仲が良いカップルみたい。

だけど私はその想いを、すぐに自分の心の奥深くまで引っこめた。

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