恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「ん?なに?」
「岸川さん、私に何か、渡したいものがあるって・・・」
「あー、そうだ!忘れないうちに・・・えーっと、二つあるんだけど。まずはこれから見てほしい」
「え?二つもあるんですか?ってちょっ、と・・・」

向かいに座っていた岸川さんが、急に椅子ごと私の隣に移動してきたことに、私はビックリしてしまった。

「どうした?」
「いや、べつに・・」
「二人とも同じ向きの方が互いに見やすいと思ってさ。ほら、スマホだから画面小さいだろ?」
「あっ、あぁ・・そぅ、ですね」
「もうちょっと待ってな。今サイト出すから」

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