恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「“時期的に遅すぎる”んだってさ。つまり、今申し込んでも、早くて来年度からの入園になるそうだ」
「そうですか」と私は呟きながら、岸川さんのスマホ画面をじっと見た。
「・・こんなにたくさんあるのに」
「だよなぁ。俺も油断してた」
「岸川さん」
「ん?」
「あの・・わざわざ調べてくださって、本当に・・どうも、ありがとうございました」
「いやいや。ただ、そうなったら湖都はどこにも仕事に行けないだろ?俺んとこだけじゃなくて」
「うん、そうですね」
「それじゃあ湖都が困るよな?」
「えぇ」
「湖都に来てもらう俺も困る」
そうキッパリ言いきった岸川さんは、もうすでに「私を採用する」いう前提で話を進めてるじゃないの!
おかしいのと、何となく照れるのと、半分ずつの想いが混じりながら、私はつい、出そうになる笑いを、どうにかこらえた。
「そうですか」と私は呟きながら、岸川さんのスマホ画面をじっと見た。
「・・こんなにたくさんあるのに」
「だよなぁ。俺も油断してた」
「岸川さん」
「ん?」
「あの・・わざわざ調べてくださって、本当に・・どうも、ありがとうございました」
「いやいや。ただ、そうなったら湖都はどこにも仕事に行けないだろ?俺んとこだけじゃなくて」
「うん、そうですね」
「それじゃあ湖都が困るよな?」
「えぇ」
「湖都に来てもらう俺も困る」
そうキッパリ言いきった岸川さんは、もうすでに「私を採用する」いう前提で話を進めてるじゃないの!
おかしいのと、何となく照れるのと、半分ずつの想いが混じりながら、私はつい、出そうになる笑いを、どうにかこらえた。