恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
でも、もし翌朝、私が逃げるように帰らなかったら・・・?
なんて、実際には起こらなかったことを今さら悔やんでも、起こった過去は変わらない。
だけど、10年経って岸川さんと再会して、こうして話をして。
私がものすごい・・誤解をしていたことが分かったことで、過去の出来事に対する「恥ずべき想い」や罪悪感はなくなった―――。

「・・・ねぇ、ママぁ。きいてる~?」
「えっ?あ・・うん。聞いてるよ。翔は今何時?ってママに聞いたんでしょ?えっと」と言いながら、腕時計を見た私は、「もうすぐ4時だよ」と答えた。

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