恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「あ。店長」

颯爽とした身のこなしに、キビキビ、はつらつとした対応は、全身が自信に満ち溢れているように見える。
私の心は思わず萎縮してしまった。

やっぱり来るんじゃなかった。
でも・・・悶々と過ごしてばかりいても、現状は何も変わらない。
現状を変えたいと思うなら、何か行動を起こさなきゃ。

「失礼ですけど、どちら様ですか?」と無表情で聞いてきた前田さんは、本当は私のことを知っているのか、本当に知らないのか、分からない。
前田さんとこうして会うのは初めてだけど、もしかしたら壮介さんが家族の写真をこの人に見せて、私の顔くらいは知ってるかもしれないと思ったんだけど・・・まあいいや。

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