恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
とそのとき、壮介さんが立ち止まった。
必然的に、翔も立ち止まることになった。

二人は1・2秒くらい、そこに立ち止まっていた。
すると信じられないことが起こった。
壮介さんが、翔の手を離したのだ!
さらに信じられないことに、壮介さんの手から逃れた翔は、なんと、私のところへ戻ってきてくれた!

「マ~マ~あ!わあああん!」
「・・・しょぅ・・・翔。翔・・・!」

私は、もう離さないと言わんばかりに、ワンワン泣いている息子をギュウっと抱きしめた。
< 315 / 483 >

この作品をシェア

pagetop