恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
それからすぐ後、私たちの頭上に、影ができた。壮介さんだ。
私は、息子の身を護るように自分を盾にして、壮介さんを精一杯睨み上げた。

「翔を使えばおまえは戻ると思ったんだが・・しょうがないな。ここまで頑固で何の役にも立たないおまえなんか、俺にはもう必要ない。だから望み通り別れてやるよ。ほら」

壮介さんは上着のポケットから封筒を出し、それを私の方へ投げるように渡した。
私の目線に合わせて屈むことすら嫌らしい。
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