恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「これ・・」
「由香は、血のつながりのない翔の面倒まで見る気はないと言っている。だから俺も翔を育てることはできない」
「あ・・・はぃ、分かりました」

・・・「ゆか」さんって・・・あっ、確か、今妊娠中の新しい愛人の名前だったわよね?
てことは・・・まさか、壮介さんが離婚に応じてくれたってこと・・・?

私は、ぼんやりと頭の中で考えながら、壮介さんが投げた白い封筒に視線を移した。
この中には、離婚届――壮介さんが判をついた署名入りの――が入っているに違いない。

途端に、私の目の前に、希望の光が差し込んだような気がした。
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