恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
・・・確かに、壮介さんが言ったことで一つだけ当たっていることがある。
それは・・私は「母親失格」であること。
こんな形で息子の心を深く、強く傷つけてしまったのだから・・・。
私は一体・・・どこまで酷い母親なんだろう。

「翔・・・」
「・・ママぁ。うっ。うぅ・・・ママ・・・」
「・・し、しょう・・・!」

・・・嬉しかった。心が震えるほど、感動した。
やっと発してくれた翔の第一声が、「ママ」だったから―――。

「翔・・ごめん。ホントに、ごめんね。ママは、翔をいっぱい・・いっぱい、傷つけてしまったね。悲しい想いを、たくさんさせてしまって、ごめんね・・・」

涙ながらに謝る私に、翔は顔を左右にふって「ううん」と言った。
< 336 / 483 >

この作品をシェア

pagetop