恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
果たして今の私に、すぐそこにある実家まで歩く力が戻っているのか?なんて心配する必要は、もうなかった。
翔の、ささやかで切実な願いが、私の、文字通り原動力となってくれたおかげだ。
ゆっくり立ち上がった私は、同じくゆっくり立ち上がった息子に、かろうじてできた――それでも疲労感は隠せなかった――精一杯の笑みを顔に浮かべると、「おうちに帰ろうね」と言った。
・・・終わった。やっと、終わったんだ。これで壮介さんと離婚できる。
翔と一緒に、新しい生活を始めることができる。
実家の玄関ドアを施錠しながら、私はただシンプルに「良かった」と思い、安堵した。
翔の、ささやかで切実な願いが、私の、文字通り原動力となってくれたおかげだ。
ゆっくり立ち上がった私は、同じくゆっくり立ち上がった息子に、かろうじてできた――それでも疲労感は隠せなかった――精一杯の笑みを顔に浮かべると、「おうちに帰ろうね」と言った。
・・・終わった。やっと、終わったんだ。これで壮介さんと離婚できる。
翔と一緒に、新しい生活を始めることができる。
実家の玄関ドアを施錠しながら、私はただシンプルに「良かった」と思い、安堵した。