恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「まだご主人と決まったわけじゃあありませんからね。それでも、身元のご確認をする作業は、だれしも辛いもんです・・・はい、ここです。外(ここ)からでも確認はできますが。どうしますか?」
「え?あ・・・だぃじょうぶ、です」

とは言ったものの、何がどういう風に「大丈夫」なのか、この目で遺体を見たとき、一体自分がどんな反応をするのか、自分でも分からなかった。
それでも、私が遺体の身元確認をしなければ、何も分からないし、先に進むこともできない。
私自身も、刑事さんたちも。
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