恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「・・・乗用車でも大型のバンに轢かれてしまったこと、あとそれから打ち所が悪かったのでしょうな。救急車で搬送中の17時04分に、ご主人は息を引き取られました」

そのとき私は息子の翔を抱きしめて、路上にへたりこんで泣いてたんだっけ・・・。

つい数時間前に起きたことなのに、もう何年も前の話に思える。
あのときも、私の気持ちはかなり揺さぶられて、心が死ぬ思いをさせられた。
だけど・・・。
だけど私は、その数時間後にはもう、壮介さんが死んでるなんて、想像すらしてなかった―――。
< 369 / 483 >

この作品をシェア

pagetop