恋よ、来い。 ～傷心デレラの忘れもの～

「あの人は・・離婚には応じてくれました。というのも、私と別れて、新しい相手と再婚する予定だったようなので。でも、翔・・息子を一緒に連れて行けなかったことが、その・・納得いかなかったみたいです。でも、再婚する予定の相手が翔を引き取りたくないと言っているらしくて、それで・・・。もちろん、私は自分で息子を育てると壮介さんに言いましたし、壮介さんたちに息子を渡そうなんて全く考えていません。でもあの人が・・翔を強引に連れて行こうとして、わたし、私は、あの人を・・・止められなかった。でも、翔が、息子が、私のところに駆け戻ってきてくれて・・・。あの人が行ってしまった後、私と息子はしばらくその場で泣いてました。私と息子は、なんというか・・お互い“無事”で、“一緒にいること”を確かめ合っていたんです。その間にあの人は、あんなことになってしまって・・・」