恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「岸川さん・・・うっ、うぅ。ううっ・・・」
「湖都。今、おまえ一人か?」と、スマホの向こうから岸川さんの声が聞こえて、私は小刻みに頷いた。
・・けれど、ただ頷いただけじゃあ岸川さんに分かるはずがないと気づいた私は、それからすぐ、どうにか「はぃ」と答えた。

「今どこにいるんだ?真緒さんの家?」
「・・ん。ぅぅん。・・っ。長野・・あ、じゃなかった。けぃさつ・・・」
「は?警察って・・・何があった。まさか事故にでも遭ったのか!?」
「ぅぅん。ちが・・私じゃなくて、そぅすけさ・・・壮介さんが・・・」
< 394 / 483 >

この作品をシェア

pagetop