恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
私はまるで命の源泉を体内に取り入れるように、お水をゴクゴクと飲んでいた。
お水は冷たすぎず、ぬるすぎずで、とても美味しい。
一口飲むごとに私の喉を潤してくれたことで、私の喉(ここ)も相当乾いてたんだなと気づく。

「まだ飲む?」と聞く岸川さんに、顔を左右にふって応えた。

「いえ。ひとまず今はこれで落ち着いたので」
「よし。じゃあ、真緒さんに電話しとこっか」
「あっ、そうですね」

岸川さんは母の番号を知らないので、私のスマホで母のスマホにコールした。
今、岸川さんちにいると、自分の口で母に伝えた後、岸川さんが代わって母と話をし、岸川さんは自分のスマホの番号を母に教えて、スマホを切った。

「・・・旦那さんに何があったか、俺に話してくれる?」
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