恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
『・・・まぁなんというかな、日ごろの行いの“ツケ”が回ったのかもしれませんな』

「ん?なに?」
「・・・刑事さんも――お父さんくらいの年の人だったけど――そんなことを言ってた」

『・・・もしタクシーの中で考え込んでたら、少なくともあんな事故には遭わなかったでしょうなぁ。全く持って、ご主人は不運でした』

・・・刑事さんのあのセリフは、「壮介さんが死んでしまったのは、路上で言い争いをしたせいだ」と私を責めたんじゃない。
刑事さんも分かってたんだ―――。

「・・・あのとき壮介さんは、単純に・・“不運”だったってこと?だから壮介さんはあのとき、運に・・見放されてしまった、のかな」
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