恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「酷な言い方かもしんねぇけど、結局のところは自業自得と言えるんじゃないか?まぁ俺は、湖都から話を聞いただけしか旦那さんのことは知らない存在だったし、死者は弁解も、なんにもできない。もちろん、俺だって旦那さんが死んで良かったなんて思ってないし、よく知らない人でもやっぱり、それなりにショックは受けてる。でも、一番大切にしなきゃいけない奥さんのことを散々苦しめてきたんだろ?そんな生き方は恥ずかしい、てか、恰好つけるところが間違ってると思う。そういう生き方をし続けてたらさ、運どころか、そのうち誰からも見放されてしまうような、すげー・・わびしい人生を送ることになってたんじゃないかな」

岸川さんの言いたいことは、私にも理解できた。私も岸川さんと同じように思ったから。
私はコクンと頷くと、しみじみとした口調で、「かもしれない」と言った。
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