恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
壮介さんといつか離婚することになると思っていた私は、この日のために、翔と私の日用品を、少しずつここ(実家)に送っていた。
そして専業主婦だった私ができたことは、働いてお金を稼ぐことではなく、壮介さんが渡す毎月の生活費を、少しずつ貯めること。
もちろん、主人には内緒で。

だから今現在、これからの生活資金がゼロというわけじゃあない。
でも、新たに住む家や仕事が必要だ。
翔を預ける保育所探しも・・・。

「そう言えば・・・」
「え?なに?お母さん」
「岸川さんが事務をしてくれる人を探してるって言ってたわねぇ」
「・・岸川、さん・・・?」

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