恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「・・ちょっと、ヘンっていうか・・痛い」
「締めすぎてるんでしょ。もうちょっと緩めて」
「こう?」
「そうそう」
「うーん。なんか・・気になる。落ちるんじゃないかって」
「強く耳を掴んだり、降らない限り落ちないよ。やっぱ髪切って良かったじゃん、湖都ぉ」
「・・・うん」
「これは湖都にあげる」
「え?スカート?」
「ちがーう!イヤリング。これも、私からの入学プレゼントってことで」

恋愛事にはめちゃくちゃ疎い私を合コンに参加させることで、少しでも“男性免疫”をつけさせようとしてくれる姉の心遣いが、嬉しかった。

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