恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「話が合わない」と思ったのは、たぶん私だけじゃなかったのだろう。
最初の、名前を聞かれたときだけ気にかけてくれた人たちや、向かいに座っている男の人も、「どーも」以来、私に話しかけてこない。
つまり、私に話しかけてくれる人は、誰もいなかった。

向かいに座ってる男の人は、ずっとニコニコしながらみんなのおしゃべりを聞きつつ、グラスに入った薄茶色の飲み物をチビチビ飲んで、楽しそうにしてるみたいではあるけど・・・。

でもこの人は、私よりも、この場で浮いてはいない。
年のせい?って私、この人がいくつなのか、知らないんだけど。

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