恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
「サンドイッチはもうすぐ出来上がりますので」
「ありがと」

ウェイトレスと前田さんの端的な会話で、私は今自分がいる状況を再確認した。

前田さんは、私が壮介さんの妻であることを知っていたか、今知った知ったばかりだというのに、「立ち話は何だから」と言って、近くのカフェに私を巧みに誘った。
しかもサンドイッチまで食べようとしている。
この人、かなり図太い神経の持ち主なのかもしれない。
それより、これじゃあどっちが「壮介さんの妻」なのか、はたから見ても分からないわよね。

苦笑を浮かべた私に、前田さんから先制攻撃を仕掛けてきた。

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