恋よ、来い。 ~傷心デレラの忘れもの~
そのとき私は、ここが岸川さんが住むマンションの一室だということを、不意に思い出した。
『・・・湖都ちゃん。湖都・・』
『んーーー』
『もう少しで俺んちに着く。歩けるか?』
『んーーー』
あぁ、何てこと!!
自分がその日、知り合ったばかりの男の人が一人で暮らしている家に、ノコノコついて行ったことも信じられないというのに、その人と一夜を共に過ごしてしまったなんて・・・。
もっと信じられない!
奥手の私らしくない!
ていうより、絶対これは何かの間違いよ!
私は半ば、パニック状態でスカートをはいた。
ストッキングをはく心の余裕なんて、そのときの私にはなかったので、ベッドサイドテーブルの、時計の反対側にあるベッドサイドテーブルに置いてあったのを見つけた、私の赤いバッグに、それをグイグイ押し込んだ。
おかげで、赤いバッグが悲鳴を上げているような気がしたけれど、今はそんなことを気にしている場合じゃない!
『・・・湖都ちゃん。湖都・・』
『んーーー』
『もう少しで俺んちに着く。歩けるか?』
『んーーー』
あぁ、何てこと!!
自分がその日、知り合ったばかりの男の人が一人で暮らしている家に、ノコノコついて行ったことも信じられないというのに、その人と一夜を共に過ごしてしまったなんて・・・。
もっと信じられない!
奥手の私らしくない!
ていうより、絶対これは何かの間違いよ!
私は半ば、パニック状態でスカートをはいた。
ストッキングをはく心の余裕なんて、そのときの私にはなかったので、ベッドサイドテーブルの、時計の反対側にあるベッドサイドテーブルに置いてあったのを見つけた、私の赤いバッグに、それをグイグイ押し込んだ。
おかげで、赤いバッグが悲鳴を上げているような気がしたけれど、今はそんなことを気にしている場合じゃない!