初恋はチョコの味
なんか私が
いきなり巻き込まれて
不思議な空気になってしまった。
「だって、あなた、俺のことを
ごってぃ。ごってぃ。
ってうるさいじゃん(笑)」
「いいじゃん。
ごってぃなんだから。」
「ややこしいだろ?
俺、ごってぃで、まりなちゃんも
五条だから、ごってぃでしょ。
だから、ごってぃと呼ぶのはやめなさい(笑)
ちゃんと、
先生で呼んでくださーい。
塾長先生に、
怒らないのはダメだと
俺が怒られたんだから。」
私は、二人の話を聞きながら、
先生と同じ〝ご〝から始まるのが、
ちょっと嬉しいと思ってしまった。
「わかりましたよー。後藤先生。」
「わかればよろしい。
ま、今日で最後の授業なんだけどな」
「たしかに。今さらすぎる。」
「ま、最後だからこそ、頼むよ(笑)」
そんなやりとりをしていた
高校生のお姉さんと先生。
その様子を見ていて
正直、うらやましかった。
私も、こんな風に
先生と気さくに
話しができたらいいのに。