初恋はチョコの味




「全く、騒がしい人だなあ。
あ、ヤバい時間があまりない!
んー、仕方ない…。
今日は、これだけ解いたら終わり(笑)」


「…やった」

小さな声で私が言った。



「え。今、喜んだでしょ?」


「いいえ?別に。」


「じゃあ、進めなかった分は
課題にさらに
プラスするからいいか(笑)」


「お、おにー!」

笑顔で課題増やされたら
鬼とも言いたくなる。


「俺は人ですー。
なーんだ、怒った顔も
できるんじゃん(笑)

さっき、塾長に
笑顔見せた仕返しだ。」



な、何それ(笑)
え、別に塾長先生に
笑顔みせても
何の問題もなくない?



「先生、鬼だね」

「鬼じゃねーし(笑)
俺以外に笑顔振り撒くのが悪い。」


え?なに、先生もしや嫉妬?(笑)


そう思って
にやけてしまった私。




「な、何にやけてんだよ(笑)
ほ、ほら。今日の分な。
ま、また来週ー!」


また焦って

私にチョコを渡して
教室から帰した先生。







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