浮気してるくせに平然な彼
またゴロンとソファに横たわると母さんは呆れながら『良いから起きなさい』と、具合悪い俺を叩き起こそうとした。
「…俺、頭痛いんだって」
「アンタ、一方的に麗美ちゃんに別れ告げたんだって??」
「……は?? いや、言ってな『良いから仲直りしてきなさい!!!』
仲直りってなんだよ。
あーーーーーもう。本当面倒くせぇ!!!
今までにないくらいイヤな顔をしながら、嫌々ながらも仕方なく立ち上がる。
一方的に別れ告げてないし。アイツが一方的に浮気しただけだし。
俺の親にまで嘘吐きやがって。本当、いい加減にしろよ。
玄関先に行くと、申し訳なさそうな顔で俺を見る麗美と、目が合った。