浮気してるくせに平然な彼
「え、何??どういう事??」
「……………サナ、修学旅行中、陸とヨリ戻ったらしい。それをさっき、ロビーで言われた」
「……………いや、でも………え??どうすんの??今夜、話し合い所じゃなくね??」
…………話し合い所じゃないにしても、今このタイミングを失えばまた、平気な顔をして二人は橋本に近寄るんだ。
そんな事させない。
絶対に、もう橋本に苦しい思いをしてほしくない。
平然な顔をして、橋本に近づくなんて。
そんな事絶対させない。
***
晩飯になり、食事部屋に石田達と一緒に移動する。
班ごとに座るなり、斜め前だったらしい、サナ達が視界に入ってきた。
仲良さそうに笑いあっているサナと陸。
何も知らない橋本は『サナと陸くん喋れるようになったんだね』と、微笑ましく笑っている。
そんな中、石田と松本は悲しそうな表情を浮かべていた。
…………なんつー顔で橋本を見てんだよ。
橋本も俺も、同情してほしいなんて思ってない。