浮気してるくせに平然な彼




 ムカついて、つい文句の1個や2個言いたくなる。


「橋本の部屋に平気で居座りやがって騙すのもいい加減にしろよ。もし仮に陸と橋本が寄り戻ったらどうすんの?どうもしねぇか。一生2番目だもんな」


「堀内堀内!!!!!ムラムラしてんのは皆一緒!こんなヤツに発散してる場合じゃないじゃん!!」


 松本に止められ、固まる。
 ………別に発散してないし!!ムカついたから言ってやったまでだし!!


「でも、そうだよな。こんなヤツに言っても無駄だな」

「そうそう!こんなヤツに!!!」



 石田、松本、俺の3人でサナを『こんなヤツ』呼ばわりしていると、『堀内くん達、サナに何言ってんの!!早く隠れて!陸くん来ちゃうから!!』グイグイと橋本に背中を押され、俺と石田と松本は半ば強引にクローゼットに押し込まれた。


 ……………キッツ!!苦しい!!!酸欠になりそう!!!


「堀内ーーー、俺もう無理………座りたい」


「俺も…………」


 石田と松本はもう限界のようで、苦しそうに息をしていた。


 …………そんなんで陸を抑えつけれんのかよ。



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