浮気してるくせに平然な彼








◇美羽side◇


 よく分からない事をサナと揉めている堀内くん達を無理やりクローゼットに押し込む。


 そして、陸くんが私の部屋へ来るのをひたすら待った。


 インターホンが鳴り、ゆっくりとドアを開けると、陸くんが優しい笑顔で立っていた。


 とりあえず陸くんに、堀内くん達と同様『入って』と、小声で部屋に招き入れる。


 私はクローゼット近くのイスに。陸くんは、向き合うようにベッドへと座る。


 …………どうしよう、どうしたらイイんだろう。
 自分から陸くんを部屋に誘っておいて、どうしたらイイのか分からない。


 何を喋っていいかも分からず、下を向いていると、



「美羽、俺。サナの事で美羽をメチャクチャ傷つけた。今までサナと美羽とずっと一緒にいたけどさ、でもずっとこれからも変わりなく美羽が一番だから」


陸くんがゆっくりと口を開いた。



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