隣に住んでいた男の子と女の子の話〜私の昔話〜

一方、私がゆうきくんを誘うことはあまりありませんでしたが、
ゆうきくんはよく私の家に来ました。
ゆうきくんは身体が小さくて身軽で
跳び箱が上手でかけっこが速い子でした。
たまに私を叩いたり蹴ったりしました。
「ブス」とか「デブ」とかもいろいろ言われたけど
それはあまり気にしていませんでした。
ですが、私が赤いスカートを履くと
赤いスカートの人は格好悪いとか
お前の家は不吉な家だとか、
いわゆる嫌がらせ発言を繰り返すので
なんだか不愉快な子でした。

ある日、叩かれて痛かったので叩き返したら
体格差がありすぎたのか、ゆうきくんが吹っ飛んでしまいました。
ゆうきくんもそれで親に泣きついたりもしなかったし、
とくに誰にもとがめられませんでしたが、
身体が大きい私が力をふるうのは、とても怖いと思いました。
ゆうきくんのほうも、それに懲りるわけでもなく、
その後も私を叩き続けたので、あまり気にしていなかったのでしょう。

ゆうきくんは、今思えばありがちな幼稚園男児で
自分のお父さんはイチローより野球が上手いとか
ダルビッシュの球が打てるとか、
本気で言いふらしていて、
当時は、こいつ馬鹿じゃないか?と思っていました。
お父さんが大好きという点では、
非常に円満な家庭の素直なお子さんとも言えますが。

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